リニューアルで気をつけるべきSEO対策 とは？

Webサイトのリニューアルは、ビジネスやブランドの進化を反映させるための重要なステップです。デザインの向上、新機能の追加、ユーザーエクスペリエンスの向上など、リニューアルの目的は様々です。しかし、リニューアルを行う際には、SEO（検索エンジン最適化）に与える影響も考慮する必要があります。

サイトのリニューアルは、正しく行えばサイトの成長につながります。一方で、SEO対策を怠ると検索エンジンでの可視性が低下し、トラフィックや売上への大きな悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、リニューアルとSEOは密接に関連しており、両者のバランスを取ることが非常に重要です。

リニューアルのSEO対策における注意点

サイトのリニューアルは、新しいデザインや機能を導入することで、ユーザー体験を向上させるチャンスです。しかし、SEOの観点からはリスクも伴います。リニューアルを成功させ、そのリスクを最小限に抑えるための主要な注意点を見ていきましょう。

本当にリニューアルは必要なのか

リニューアルの注意点をする前にリニューアルの必要性を確認することが重要です。ユーザーの要求やビジネスの目的を満たすための変更であるか、単にデザインを変更したいだけであるかを検討してください。

SEOの観点から見ると、順位やトラフィックに悪影響を及ぼす可能性があるため、必要性が低いリニューアルは避けるべきです。

ドメインやURL、構造を変える必要があるか

サイトのドメインやURL、構造の変更は、検索エンジンのクローラーに大きな影響を与える可能性があります。特に、既に検索エンジンにインデックスされているURLを変更する場合、そのページの検索順位に影響を及ぼす可能性が高いです。変更が必要な場合は、適切なリダイレクトの設定と新しいURLの構造をよく検討することが求められます。

旧URLからのリダイレクトを行う

URLを変更する場合、必ず旧URLから新URLへの301リダイレクトを設定することが重要です。これにより、旧URLに対する外部リンクや検索エンジンの評価を新しいURLに引き継ぐことができます。正しくリダイレクトを設定しないと、ページの検索順位が低下する可能性がありますので、十分に注意して設定を行う必要があります。
例えば、サイトの規模が大きいからと言って、旧URLからトップページに全てリダイレクトしてしまうと、サイトの順位を大きく落とす可能性があります。

xmlサイトマップは新URL・ドメインのものになっているか

リニューアル後、特にURLやドメインが変更される場合、xmlサイトマップもそれに合わせて更新することが必須です。サイトマップは、検索エンジンクローラーがサイトの構造を理解し、ページを効率的にクロールするための指南書となります。新しいURLやドメインに適切に更新されていないサイトマップは、クローラーの混乱を招く可能性があるため、リニューアル時のチェックリストに必ず含めるようにしましょう。

robots.txtやnoindexでインデックスを邪魔していないか

robots.txtやnoindexタグは、特定のページやディレクトリを検索エンジンのクローラーのブロックやインデックスから除外するためのものです。リニューアル作業中やテスト環境でこれらの設定を使用していた場合、本番環境に移行する際にこれらの設定がそのまま適用されてしまうと、ページが検索結果に表示されなくなるリスクがあります。リニューアル後は、これらの設定が適切になっているかを確認することが重要です。

URL正規化タグが旧URLや旧ドメインのものになっていないか

URL正規化タグ（canonical tag）は、同じコンテンツが異なるURLでアクセス可能な場合に、正しいURLを検索エンジンに指示するためのものです。リニューアルでURLが変更された場合、このタグも新しいURLに更新する必要があります。旧URLや旧ドメインを指すcanonicalが残っていると、検索エンジンが正しいURLを認識できず、順位低下の原因となる可能性があります。

コンテンツが大きく変わったり減ったりしていないか

リニューアルによってコンテンツの質や量が低下すると、それが検索順位に悪影響を及ぼす可能性があります。コンテンツの変更を行う場合は、その内容がユーザーにとって価値あるものであることを確認するとともに、必要な情報が削除されていないかをチェックすることが大切です。

また、PCとモバイルでURLが異なる場合、モバイル側のコンテンツを省略したり、アコーディオンで隠したりしていないか確認する必要があります。

リンク切れの発生や重要なページへの内部リンクが失われていないか

サイトリニューアル時、ページのURL変更や構造の見直しが行われることが多いです。この過程で、ページ内のリンクが正しく機能しなくなることがあります。リンク切れはユーザー体験の低下を引き起こすだけでなく、SEOにも悪影響を与えます。特に重要なページへの内部リンクが失われると、そのページの検索エンジン上の価値が低下するリスクがあります。リニューアル後は、サイト内のリンクを全てテストし、問題がないか確認することが必須です。

リニューアル後は少なからず順位変動が起きる

サイトのリニューアルは、検索エンジンのランキングに影響を与える要因が多く含まれています。変更の度合いによっては、順位の変動が起こることが予想されます。この変動は一時的なものである場合が多いですが、リニューアル後の順位の変動を常に監視し、必要に応じて対策を講じることが重要です。

SEO対策の邪魔になるようなシステムやCMSは選ばない

リニューアル時に新しいCMSやシステムを採用する場合、SEO対策の実施が容易であるかを事前に確認することが大切です。一部のシステムやCMSは、SEOに不利な設定や構造を持っていることがあります。これらを採用すると、後からSEO対策を行う際に大きな障壁となる可能性があります。リニューアルの際は、SEOに優れたシステムやCMSを選択することを心がけましょう。

中でも、シングルページアプリケーション（SPA）でサイトをリニューアルする場合は、SEO要件が高くなります。本当にSPAにする必要があるのかを確認しましょう。

リニューアル後に大きく順位が落ちたら

サイトリニューアル後、意図しない順位の大きな変動やトラフィックの減少が発生することは珍しくありません。そのような場合、迅速な対応が求められます。以下は、順位が大きく落ちた際の対応策についてのアドバイスです。

まずはリニューアル前に戻す

順位が大きく落ちた場合、最も迅速な対応として、リニューアル前の状態に一時的に戻すことを検討することがあります。これにより、リニューアルが原因である場合、少なくとも一時的に順位やトラフィックの減少を食い止めることができます。その後、原因を特定し、問題を解消した上で再度リニューアルを行うことが考えられます。

原因を特定する

リニューアル前の状態に戻した後や、戻さない場合でも、順位の大きな変動の原因を特定することが必要です。以下は原因特定のためのステップの一例です。

・テクニカルな問題の確認
robots.txtの設定や、noindexのタグ、リダイレクトの設定など、テクニカルな面での問題がないか確認します。

・内部リンクの確認
リニューアルにより、重要なページへの内部リンクが失われていないか確認します。

・外部リンクの確認
リニューアルの際にURLが変更され、外部からのリンクが切れている可能性があります。その場合は、リダイレクトの設定を確認することが重要です。
コンテンツの変更: コンテンツの変更や削除が検索順位の変動に影響を与えている可能性があります。
原因を特定したら、それに基づいた対策を講じることで、順位やトラフィックの回復を目指します。

順位の変動は様々な要因により発生する可能性がありますが、リニューアルが原因である場合、計画的な対応を心がけることで、リスクを最小限に抑えることが可能です。リニューアルの成功のためには、変更点の把握とそれに伴う影響の確認、そして適切な対応が不可欠です。

リニューアル前には現状把握をするために内部調査の依頼がおすすめ

サイトのリニューアルは、その規模や目的に関わらず、大きな影響を及ぼす可能性があります。リニューアルに踏み切る前に、サイトの現状を正確に把握することは非常に重要です。そのため、内部調査を行い、現在のサイトの状態やSEOの健全性を評価することを強くおすすめします。

・現状の順位やアクセス数を精査する
現在のサイトの検索順位、トラフィック、ユーザー行動などのデータを集めます。これにより、リニューアル後の変動を正確に評価する基盤を作ることができます。

・SEOの健全性チェック
現在のサイトのSEOの健全性をチェックすることで、リニューアル後も維持すべきポイントや改善すべき問題点を明らかにできます。特に、メタタグの最適化、内部リンクの状態、外部からのバックリンクの質などを評価します。

・テクニカルな問題の確認
サイトの読み込み速度、モバイルフレンドリー性、robots.txtやXMLサイトマップの設定など、テクニカルな側面での問題がないかを確認します。

・コンテンツの評価
サイト上のコンテンツが、ユーザーのニーズや検索エンジンの要件を満たしているかを確認します。また、重複コンテンツや薄いコンテンツの有無もチェックします。

ユーザーエクスペリエンスの評価: ユーザビリティやデザインの観点から、サイトのユーザーエクスペリエンスを評価します。これにより、リニューアル時に改善すべきポイントを明確にできます。

このような内部調査を行うことで、リニューアルの方針やスコープをより具体的に、そして効果的に策定することができます。専門のSEOエージェンシーやコンサルタントに依頼することで、より詳細かつ正確な評価を得ることが可能です。

リニューアルはサイトの成長や進化の一環として不可欠ですが、適切な準備と計画なしに進めるとリスクが高まります。現状把握のための内部調査は、そのリスクを低減し、リニューアルの成功を確実にするための重要なステップとなります。

弊社でも、SEOの内部対策が正しく行われているか、リニューアルに際してどのように変更するのがいいのかなどの調査を行っています。ぜひ、リニューアルを検討されている方は、まずお問い合わせください。