オンラインインタビューとは、オンライン上でモニターにインタビューをする手法です。テレビ電話機能の進歩から、今までオフラインで行われていたインタビューや行動観察調査をインターネット上で実施することが可能となり、現在最も注目されている調査の一つです。
今回は「オンラインインタビューの特徴」、「オンラインインタビューのやり方」、「オンラインインタビューでできる調査」について、解説します。
目次
- 1 オンラインインタビューとは?オンラインインタビューの特徴について
- 2 オンラインインタビューのやり方
- 3 オンラインインタビューでできる調査
- 4 オンラインインタビュー調査の事例と料金
- 5 どれを選ぶべき?人気インタビューツールの使い方と実例
- 6 ユーザーインタビュー成功のカギ!おすすめツールと効果的な活用術
- 7 UXリサーチツールを選ぶ際の基準とは?企業に最適な選択肢を探る
- 8 オンラインリサーチプラットフォームで差をつける!市場調査の新たな形
- 9 リモートユーザー調査システムを活用した最先端の調査手法
- 10 データ活用の鍵!インタビュー録音・分析ツールの選び方
- 11 オンラインインタビューの活用シーンとは?実際の事例で見る成功のポイント
- 12 初心者でも簡単!オンラインインタビューを始める手順
- 13 オンラインインタビューの費用対効果を最大化する方法
- 14 まとめ
オンラインインタビューとは?オンラインインタビューの特徴について
オンラインインタビューは、インターネットを利用してインタビューをする手法で、技術の進歩により、急成長している調査法です。主な特徴としては以下の三点が挙げられます。
通信環境さえあれば、場所や時間を問わず実施できる
ネット回線を利用してのインタビューなので、通信さえできれば調査を実施することができます。そのため地方に住んでいる人や会場にくるのが困難な人に対しても調査を実施することが可能となりました。また時間についても目的に応じて好きな時間に調査を行うことができます。例えば、朝のヘアメイクの様子や夜のルーティンなども調査観察することも可能です。
また、対象者にとってもわざわざ会場に出向く手間がないなど気軽に参加できるようになったので、オフラインでのインタビューよりも許諾率が高い傾向にあります。
消費者の生活について深く知ることができる
対象者は自宅や、生活空間からインタビューを受けることになるので、普段の生活の中で商品を利用する様子を観察することができます。そのため会場でインタビューや行動観察を行うよりも深い消費者理解をすることが可能となりました。
また、自宅などの場所で行うことで対象者はリラックスしてインタビューを受けることができ、よりプライベートに踏み込んだ話や正直な意見を引き出すことができると考えられます。
実施側の負担を軽減できる
調査をオンライン上でするので、モニタリングに関してもネット環境があればどこでも可能です。そのためオフィスの会議室やテレワーク中の自宅からでもインタビューの様子を見ることができます。また、本社と離れた研究室や営業拠点にも中継をつなぎ、調査の様子を共有することが可能です。
さらに会場費やモニターへの謝礼も抑えることができるため、コスト面での負担も軽減できます。
オンラインインタビューのやり方
オンラインインタビューのやり方に基本的な一例をご紹介します。まず調査会社のモニターの中から調査協力者を募ります。そして、集まった応募者の中から実際にインタビューを実施する人を選び、環境テストを経て実査を行います。インタビューの様子は自身の会社や自宅からでも見ることができます。
対象者は自身のスマホやパソコンから、付属のカメラやマイクを使用してインタビューに参加することが多いですが、調査会社によってはカメラの貸し出しを行っていたり、リサーチャーが対象者の隣でサポートをするサービスをしていたりします。そのためパソコンに慣れていない人やwebカメラなどの必要なツールを所有していない人への調査を行うことも可能です。
オンラインインタビューでできる調査
オンラインインタビューでは一対一のデプスインタビュー以外にも、グループインタビューやエスノグラフィーを行うことができます。それぞれの特徴やオンラインインタビューだから可能となることをご紹介します。
・デプスインタビュー
対象者の生活環境でインタビューを行うことができるので、自宅のキッチンや自家用車の中のように特殊な場所で調査を実施することができます。また対象者に商品を送り、実際に使用している様子を観察したりその場で感想を聞いたりすることも可能です。生活の中でどのように使用されるかを観察することで、会場での調査よりも深い情報を手に入れることができるでしょう。
・グループインタビュー
会場で行うよりも多くの人の中から対象者を選べるので、より調査に適した人をリクルーティングすることができます。例えばニッチな内容やセンシティブな内容についてインタビューしたい場合、会場での調査ではリクルートが難しく対象者を妥協せざるを得ない場合もありますが、オンラインインタビューでは十分に対象者を集めることができる可能性があります。また遠方に住む人や赤ちゃんがいる人のように会場に来ることが困難な対象者にもインタビューを行うことが可能です。
・エスノグラフィー
従来のエスノグラフィーでは調査員が対象者の自宅を訪問したり買い物に同行したりする調査に比べ、対象者の心理的な負担を軽減することができます。そのため、ありのままの生活の様子を観察することが可能です。例えばペットや赤ちゃん病気の人がいる家庭でも普段生活を見ることができます。
オンラインインタビュー調査の事例と料金
オンラインインタビュー調査の事例と料金感をいくつかご紹介させていただきます。
case1:新商品に関するインタビュー調査
調査内容:発売したばかりでユーザーが少ない商品について情報経路や感想、リピート意向について調査したい
インタビュー形式:グループインタビュー(6名×2グループ)
費用:¥400,000前後~
※価格は変動します。
対象者が少ない場合でも、全国どこでも調査を行えるオンラインインタビューならリクルーティングできることがあります。オンラインでもグループインタビューの手法をとることでコスト削減や時間の短縮、また意見の活性化も期待することができます。
case2:外出が難しいモニターへのインタビュー
調査内容:外出することが難しい高齢者に家事について調査したい
インタビュー形式:デプスインタビュー(6名)
費用:¥120,000~
※価格は変動します。
会場に行く必要のないオンラインインタビューなら、外出することが困難な対象者(介護中や育児中の方、高齢者の方など)にも実施することができます。また、自宅でインタビューを受けるのでより生活に密着したインタビューを行うことが期待できます。
case3:ホームユーステストと併用したオンラインインタビュー
調査内容:ホームユーステストのモニターの中から数人に対してインタビューを行いたい
調査手法:ホームユーステスト、デプスインタビュー
費用:¥1,000,000~
※価格は変動します。
ホームユーステストとオンラインインタビューを併用することで、実際に利用する様子を観察することができ、使用直後の率直な意見を聞くことができます。
どれを選ぶべき?人気インタビューツールの使い方と実例
インタビューツールを選択する際には、そのツールが提供する具体的な機能と、実際の使用例を理解することが重要です。以下では、人気のツールとその活用事例を紹介します:
1. **Zoom**
活用事例:
某IT企業では、Zoomを利用して新製品のUIテストを実施。ユーザーがアプリを操作する様子を録画し、UXの改善点を抽出しました。また、チャット機能を使ってリアルタイムで追加質問を行い、深い洞察を得ることに成功しました。
2. **Lookback**
活用事例:
ゲーム開発会社がLookbackを用いて、ゲームプレイ中のユーザーの反応を記録。顔の表情や発話内容を分析し、チュートリアル部分の難易度調整に役立てました。
これらのツールを効果的に使うには、目的に応じた使い分けが重要です。特に、ユーザー行動の観察が必要な場合は録画機能が充実したツールが向いています。一方で、インタラクティブなコミュニケーションを重視する場合は、チャットやリアルタイム編集機能が優れたツールを選ぶと良いでしょう。
ユーザーインタビュー成功のカギ!おすすめツールと効果的な活用術
ユーザーインタビューを成功させるためには、インタビュー対象者のリラックスした状態を作り出し、有益な情報を引き出すことが重要です。そのために以下のツールと活用術をおすすめします:
1. **UserTesting**
UserTestingはユーザーが操作する様子を記録し、UX改善のための詳細なフィードバックを得るのに適したツールです。特に、使いやすいUI設計を目指す場合に強力な助けとなります。
2. **Optimal Workshop**
情報設計やナビゲーションの改善に適しており、カードソートやツリー構造テストが簡単に行えます。これにより、ユーザーがどのように情報を探すのかを把握できます。
活用術として、インタビューの事前準備をしっかり行うことが重要です。例えば、対象者のプロフィールや使用環境を事前に把握し、具体的な質問を用意することで、回答内容の質を高めることができます。
UXリサーチツールを選ぶ際の基準とは?企業に最適な選択肢を探る
UXリサーチツールは、ユーザーの体験や行動を深く理解し、製品やサービスの改善に役立てるための重要なツールです。しかし、数多くの選択肢がある中で、どのツールを選ぶべきかは目的や予算によって異なります。以下に、選定時に考慮すべき基準をまとめます:
- **目的適合性**:リサーチの目標に合致しているか。
- **データ収集の柔軟性**:ユーザーインタビューだけでなく、調査票や行動記録など多様なデータを扱えるか。
- **分析機能**:収集したデータを効率よく整理し、可視化できるか。
- **コストパフォーマンス**:予算内で最大の効果を得られるか。
例えば、**Hotjar**は、ウェブサイトの訪問者行動をヒートマップや録画データで視覚化するツールです。訪問者がどのページで離脱したのか、どのボタンをクリックしたのかといった情報を簡単に把握できます。一方、**Maze**はプロトタイプのテストやユーザージャーニーマッピングに適しており、製品の開発初期段階で効果を発揮します。
企業に最適なツールを見つけるためには、まず現状の課題を洗い出し、解決に必要な機能をリストアップすることが重要です。その上で、ツールの無料トライアルを活用し、操作性や実用性を確認しましょう。
オンラインリサーチプラットフォームで差をつける!市場調査の新たな形
オンラインリサーチプラットフォームは、デジタル時代の市場調査において欠かせない存在となっています。これらのプラットフォームは、多くの対象者に短時間でアンケートやインタビューを実施できるため、迅速な意思決定を支援します。以下では、注目すべきプラットフォームの特徴と活用例を紹介します:
1. **SurveyMonkey**
SurveyMonkeyは、アンケート調査に特化したプラットフォームです。テンプレートが豊富で、初心者でも簡単に調査票を作成できます。また、リアルタイムでのデータ集計機能があり、迅速な分析が可能です。
2. **Qualtrics**
高度な分析機能を持つプラットフォームで、特にBtoB企業の市場調査やブランド分析に利用されています。高度な統計機能を活用して、より深いインサイトを得られる点が特徴です。
プラットフォームを効果的に活用するには、調査設計が重要です。例えば、アンケートの設問数を適切に設定し、回答者の負担を軽減することが必要です。また、プラットフォームの分析機能を最大限に活用し、得られたデータを視覚化することで、意思決定に役立てることができます。
リモートユーザー調査システムを活用した最先端の調査手法
リモートユーザー調査システムは、ユーザーの行動や意見を遠隔地から詳細に観察するためのツールです。これにより、物理的な制約を超えた調査が可能となり、多くの企業が採用しています。以下に、リモート調査で使用される主な手法と、その利点を紹介します:
1. **画面共有と録画**
インタビュー対象者の画面操作をリアルタイムで観察し、その様子を録画することで、細かな行動データを取得します。これにより、特定の機能やデザインがどのように受け入れられているかを把握できます。
2. **遠隔モデレーション**
調査者が遠隔でモデレーターとして参加し、対象者に対して質問や指示を与える形式です。インタラクティブなやり取りが可能で、ユーザー体験に関する深い洞察を得られます。
リモート調査システムを導入する際には、インターネット接続環境や使用するデバイスの互換性を確認することが重要です。また、対象者がリラックスして参加できるよう、事前にテスト環境を整えることも成功のカギとなります。
データ活用の鍵!インタビュー録音・分析ツールの選び方
インタビュー録音・分析ツールは、インタビューの内容を効率的に記録し、分析をスムーズに進めるための重要なツールです。以下に、録音・分析ツールを選ぶ際のポイントと、おすすめのツールを紹介します:
- 株式会社マクロミル
【ネットリサーチ国内実績No.1】グローバル・デジタル・先進リサーチを提供
高品質なパネルネットワークで、複雑化・多様化するマーケティング課題を解決するあらゆるマーケティングリサーチを提供。
実績・価格・納品スピードなど比較して納得する調査品質に定評がある企業です。 - 株式会社クロス・マーケティング
全ての調査をワンストップで提供する『クロス・マーケティング』定量調査も定性調査もオンラインもオフラインも!!
超低価格アンケートならばQiQUMOもおすすめ - 株式会社ネオマーケティング
リサーチの全工程に専門家が介在し、オリジナルメイドのリサーチを提供。 - 日本インフォメーション株式会社
日本インフォメーション(NI)は、1969年設立のインターネットリサーチを含めた幅広い手法に対応する総合リサーチ会社です。自社で110万人強のアンケートモニターや多数のアンケート会場(CLTルーム3室、FGIルーム2室)を保有しています。
経験豊富なリサーチャーによる普遍的なリサーチのノウハウと、最新のIT技術を掛け合わせた、スピーディかつ付加価値の高いリサーチをご提供します。中堅リサーチ会社だからできる、お客様に寄り添った質の高いサービスのご提供を心掛けています。 - 株式会社アスマーク
お客様と常に向き合い、価値あるデータを創出します - GMOリサーチ株式会社
日本国内に加えASIA全域を対象に調査が可能な大規模パネルネットワーク「Asia Cloud Panel」を保有するインターネットリサーチ専門の調査会社。フルサポート型のカスタムリサーチからセルフ型DIYリサーチまで幅広く対応が可能となり、お客様のリサーチ課題を解決します。
オンラインインタビューの活用シーンとは?実際の事例で見る成功のポイント
オンラインインタビューは、さまざまな業界で利用されています。以下に代表的な活用シーンと成功のポイントを事例とともにご紹介します:
1. **マーケティングリサーチ**
新商品の開発前に、ターゲット層に対してインタビューを実施する企業が増えています。例えば、ある化粧品メーカーでは、オンラインインタビューを通じて消費者の悩みや要望をヒアリング。得られたデータをもとに、新しいスキンケア商品の開発に成功しました。成功のポイントは、質問内容をシンプルにし、インタビュー対象者が答えやすい環境を整えたことです。
2. **社員満足度調査**
多くの企業がリモートワークを導入する中で、社員の声を直接聞くためにオンラインインタビューを活用しています。あるIT企業では、月次で社員インタビューを行い、業務効率化のヒントを得ています。社員が率直な意見を出しやすいように、匿名性を確保するツールを選定したことが成功の鍵となりました。
このように、目的に応じたツールと実施方法を選ぶことで、オンラインインタビューの効果を最大限に引き出すことができます。
初心者でも簡単!オンラインインタビューを始める手順
初めてオンラインインタビューを行う方でも、以下の手順を参考にすることでスムーズに進められます:
1. **目的の設定**
インタビューを行う目的を明確にしましょう。例えば、「新商品のターゲットユーザーの行動パターンを理解する」や「サービス改善点を把握する」など、具体的なゴールを設定します。
2. **対象者の選定**
目的に合った対象者を選びます。例えば、消費者リサーチであれば、購入経験があるユーザーや興味を持ちそうな潜在顧客を選定します。リサーチ会社を利用して対象者を募ることも可能です。
3. **ツールの準備**
目的に合ったオンラインインタビューツールを選び、事前にテストを行います。特に、音声やビデオの品質が確保できることを確認しましょう。
4. **インタビューガイドの作成**
スムーズに進行するために、事前に質問リストや進行スクリプトを作成します。質問は具体的で、回答者が答えやすい形式にすることが重要です。
5. **実施とフォローアップ**
実際にインタビューを行い、得られたデータをまとめて分析します。その後、対象者に感謝の気持ちを伝え、必要であればフォローアップの質問を行います。
これらの手順を守ることで、オンラインインタビューの成功率を高めることができます。
オンラインインタビューの費用対効果を最大化する方法
オンラインインタビューを行う際には、費用対効果を意識することが重要です。以下では、コストを抑えつつ効果を高める方法を紹介します:
1. **ツールの無料版やトライアルを活用**
多くのインタビューツールには無料版やトライアル期間が用意されています。初期段階でこれらを活用することで、コストを抑えながらツールの機能を試すことができます。
2. **効率的な対象者募集**
対象者をリサーチパネルサービスから選定することで、費用を抑えつつ適切な対象者を見つけられます。また、社内の既存顧客データベースを活用することもコスト削減につながります。
3. **結果を即時活用**
インタビューの結果を迅速に分析し、ビジネス意思決定に反映させることで、投資に見合う価値を最大化できます。例えば、リアルタイムで集計やグラフ化できるツールを使用すると効果的です。
費用対効果を意識しながら進めることで、オンラインインタビューは低コストで高い効果を発揮する調査手法となります。
まとめ
技術の進歩によってオンライン上でも定性調査を行うことができるようになりました。オンラインインタビューでは、会場でのデプスインタビューやグループインタビューよりも生活に密着した調査を行うことができ、深い消費者理解が可能となります。そしてネット環境があればオフィスや自宅でも中継を見ることができるため、調査する側の負担も軽減されます。インタビュー調査を行う際にはオンラインインタビューも検討してみてはいかがでしょうか。
調査会社によって展開しているサービスや価格は異なるので、複数社を比較、見積もりをしてみると良いでしょう。
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